派遣会社は「ピンハネ」しているのかしていないのか

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ネットなどでよく議題に上がるものとして、「派遣会社はピンハネしている!」「ピンハネ率の高い会社には気を付けろ!」といった意見があります。これらの意見はネット上だけの妄言なのでしょうか?そもそもピンハネとは何なのでしょうか。
そもそもピンハネとは、「他人の利益の上前を正当な理由も無く搾取すること」を意味します。人材派遣以外にも、芸能や建設業といった業種でピンハネが横行しているとされています。

しかしながら、本当に派遣会社はピンハネをしているのでしょうか?
そもそもこのような議論が生まれる背景には、派遣社員独特の給与形態があります。一般的に正社員やアルバイトは勤めている会社から直接給与を貰います。正社員であれば月××万円、アルバイトなら時給××円といった形で会社から受け取ることになります。しかし、派遣社員は形式が異なります。派遣社員の給与は自身が務めている派遣先企業では無く、派遣元の会社から支給されます。もっと詳しく言えば、派遣先企業が決められた料金を派遣元の会社に支払い、そのうちの何割かを派遣社員に渡す、という流れになっています。言い換えれば、派遣社員は自分が働いて稼いだお金を全額貰えているわけではないのです。ここに「派遣会社はピンハネしている!」という意見の根源があるのです。しかし、だからと言ってピンハネしていると断定してはいけないのです。

確かに、実際に現場で働いている派遣社員から見ればピンハネされたかのように感じるのも無理はありません。ですが、もしあなたがいま派遣社員として働いていて、このような不満を抱えているのであれば、「気持ちは分かるけれど仕方がないんだ」と割り切るしかありません。
というのも、派遣会社だって利益を出さなければ会社を存続させることが出来ないのです。派遣会社は慈善事業・ボランティアであなたに仕事を紹介した訳ではありません。営利目的で動いています。あなたの給与から差し引かれた数十パーセントのお金は、派遣会社の経営に充てられるのです。
では具体的にどのような用途でお金が使われているのでしょうか。例えば、派遣会社のオフィスで働いているスタッフ・清掃員・受付係…、そういった人々の給与になったり、オフィスのテナント料・修理費、備品などの購入に充てられたりするでしょう。
このように、一見ピンハネに見える行為にも理由があります。派遣の仕組みを正しく理解しておくと誤解が減るでしょう。